シーバックソーンについて
シーベリージュースの原料となる果実シーベリーとは、シーバックソーン(英語 Sea-buckthorn)、グミ科ヒッポファエ属(Hippophae)の落葉低木の総称に生る果実だ。
シーバックソーンの果実はジュースやジャム、ハーブティーなどの食用とされ、多種のビタミン含む健康食品として近年注目される。ヨーロッパ、特にフランスなどで野生、栽培されている。日本では、北海道などを中心に試験栽培されている。
果実の名前はシーバックソーン、シーベリー(seaberry)、チャチャルガン(モンゴル語:Чацаргана)、サジー(中国語:沙棘)などで呼ばれるが、日本ではサジージュースやシーベリージュースなどが一般的。
野生するシーバックソーンは、高さ0.5から6m(一部さらに高木になる種もある)程度が平均的で、乾燥や砂地などに多く育つ。普通6種および12亜種に分類され、乾燥や塩分、寒さに強いものも多いが、日光を必要とする。
西ヨーロッパ海岸、中央アジアは中国などの乾燥地帯に分布し、標高の高い山地にも育つ。
シーバックソーンを翻訳すると、海のクロウメモドキと訳され、クロウメモドキはとげが多いことから、沙棘という呼ばれる所以でもある。
葉の部分は、やや白味がかった黄緑で細長く、雌雄異株があり、果実がなるには雌雄の樹がともに必要。
果実は黄色味を帯びたややオレンジ色で、直径が6から9mmほどの円い液果実で。
シーバックソーンの果実はビタミンCが豊富に含まれで、ビタミンA、ビタミンE、果実ではめずらしいそして油脂が含まれる。
フランスや中国のほか、フィンランドではジャムや果樹酒として食され、ロシアや東ドイツでも栽培されている。
酸味と渋みが強く、そのまま食するには向かないため、甘味料と混ぜたり、冷凍させることで渋みを抑えたり、ジャムやジュース、果実酒の原料になることが多い。
また、果肉や種子に含まれる油脂は、不飽和脂肪酸が多いため、抗老化作用が高いことで化粧品に用いられ、アンチエイジングに効果のある果実ともされる。
シーバックソーンは全体に棘が多いため、枝ごと伐採して冷凍して実だけを収穫したり、樹からふるい落として、落下させた果実を収穫したりする。
さらに乾燥や潮風に強いため、塩分の多いやせた土地には砂漠緑化のための植物としても植えられるようだ。